ヴァンデミエールの翼

舞台は19世紀ヨーロッパ。
丁度,スチームと原動機の頃。複葉機が多数を占め,単葉機が出始めた頃。
人々はそれを珍しがる。

その中,そこに降り立ったのはある曲芸団。
人間ではない,ヒトのカタチをしたモノを連れて。

そして物語はゆっくりと滑り出し,リンクし始める

背景にあるのは服従を要求する絶対的な権力/宗教。
人間の持つ変わろうとしない思想。
人間のどん欲な行動。
そして,自立しようとするニンゲン。

ヒトのカタチをしたもの: ヴァンデミエール,それは宗教の象徴か?
翼は科学の象徴?
それとも自由の象徴?

だが,絶対的存在の創造主の被造物である彼女は云う:

人間のまがい物
天使のまがい物
機械のまがい物 

フリュクティドールの火葬 に出てきた教戒師のようなおっさんの持っていた何も書かれていない聖書らしきものは何を象徴していたのだろう?
彼は云う: 

それをお返しなさい。それはあなたにとって,いや人間にとって大切なものなのです。

それは創造主のみが読め,書き換えることが出来るものか? 森羅万象,人間の行動はすべてその書物によって規定されているのか。それは人間が読むことを禁忌とされるものか。

翼を使い地を離れて飛び立った瞬間,神の庇護下を抜け,己の自由と不安と恐怖と戦うこととなる。

そして時は流れ,物語は…。

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