解体屋外伝を読んだ

いとうせいこう / 解体屋外伝 を読んだ。

元々は,好きなマンガ家浅田寅ヲがヤングガンガンで連載を始めたウルトラバロック・デプログラマーの原作を読みたくなったため,探しに探してようやく図書館で発見し,2日かかって読み終えたところです。そして返却してきました。古本屋を巡る旅に出る事になりそうです。

さて,この小説には引用がとても多い。ですがそれはまとまった引用 (block­quote) ではなく,センテンス/フレーズ単位での引用 (q) が多い。多分,そういう短いセンテンス/フレーズの引用を薄皮にように重ねていって,人は自分の言葉にするんだろうなと思います。“自分の口から出た言葉は自分の言葉なのか,それとも他者からの引用なのか“,というところが自と他の区別というか,受け取ったものをどう消化するのかというところが人として大事な部分なんだろうなと。一枚づつ剥いでいった薄皮 (タマネギの皮でもいいですが) の中心には一体何があるのか,そこがきっとその人のハードコアの部分だろうなと思うわけです。

それにつけても浅田寅ヲの絵はこの手の物語に合ってるなあと思う次第。

この小説が妙に気に入っている点が分かったので追記:
人を有機的に捉えずに無機的,言うなればコンピュータのような感じで捉え,描写している点が私にとっては心地よかった。
そういえば攻殻機動隊にも似たような描写があったんだけど,どこだったかな…。

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