隣の家の少女 を読んだ

隣の家の少女ジャック=ケッチャム / 隣の家の少女
[rating:4.5/5]

ジャック=ケッチャム—
イギリスにおける絞首刑執行人の名前を持つアメリカ人の書く物語では,輪縄は必ずキュッと絞まり,落とし穴は必ず落ち,無実の人も柱にぶら下がりブラブラ揺れる

スティーブン=キングが原書のハードカバー版に寄せた前書きを抜粋するとこうなります。これ以上つけ加えることはないと思うのですけど,読んだ雑感を。

実はこの小説,買ってから3年ほど経ってます。読む気があまりなかったということと,時間的精神的余裕がないと読めないだろうということを直感的に感じていて為です。これは正解で,余裕がない時パラッと読む小説でもないし,第一読めないでしょう。第一部くらいは牧歌的というか,少年時代的というか,スタンドバイミー 的で読みやすいでしょう。それ以降の章は心臓の弱い方にはお薦めできません。あまりに残酷で,あまりに読後感が悪過ぎます。とはいえ,読んで損はないと思いますけど,読まない方がいいと思います。“ゲーム“という麻薬が如何に人を虜にし,それに溺れさせ,人を蝕み,後遺症に苦しめさせることになるのかを知るにはいい小説だと思います。

後,感じた事は,この小説は,“私“ のセラピー的な小説なのではないかなという事。第3章の終わりに書かれている斜体文がそれを示しているような気がしてなりません。

そしておそらく,これを読んだ後にこの事を思い出すでしょう。

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